すみっこきろく―双極性障害Ⅱ型だけど、それなりに楽しく生きていきたい

病気や薬の経験談、病気になって感じたこと。あくまでも個人の体験談ですので、参考までに。

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閉鎖病棟の中の様子と、穏やかな入院生活

前回の記事では、精神科の閉鎖病棟に入る準備段階の話をしました。
sumizumisumiko.hatenablog.com

今回は、実際に閉鎖病棟に入院して、病棟内はどんな様子だったか、私がどんな生活をしていたかを紹介したいと思います。
この話も病院によって違うところがあると思いますが、私は楽しい入院生活を送っていました。


閉鎖病棟の中はこんな感じ

病棟の外へは出られないけど、思っていたより普通の病院

一般の病棟から離れた場所のエレベーターを上がると、閉鎖病棟のナースステーションの中に出ました。
その中で荷物チェック、手洗いうがいをしてから病棟へ入ります。
これは入院患者さんだけではなく、お見舞いに来てくれた方も毎回行います。
荷物については、お見舞いの方には口頭での確認程度だったと思います。

ナースステーションと病棟の間のドアには鍵がかかっているので、ナースステーション側から鍵を開けてもらわなければ病棟の外に出ることはできません。
病棟へ入るとまず広いロビーがあり、椅子やテーブルが多く設置されていました。
そこでは患者さんたちがお喋りしたり、置いてあるテレビや新聞を見たりして過ごしていました。
ロビーの隅に配膳スペースがあるので、そこで食事を受け取り、ロビーで食事をとる人が大多数でした。

ロビーには中庭が見える大きな窓もありました。
ロビーの窓だけでなく、病棟内の全ての窓には鉄格子がかかっていましたが、圧迫感はあまり感じませんでした。

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お部屋はナースステーションとロビーを中心に左右に分かれて配置されていました。
私が入った部屋は四人部屋でした。
一人部屋も何部屋かあったようです。


入院前に閉鎖病棟について調べたとき、人に危害を与える恐れがある患者さん等を隔離しておくための部屋があるというのを目にしました。
ですが私は病棟内をあちこち歩くことはしなかったので、そのような部屋がどこにあるのかは知りませんでしたし、誰かがそういう部屋に入れられたとの話も聞きませんでした。
どこかにあったのかもしれませんが…。


患者さんたちは、ほとんどが穏やかな普通の人

一緒に入院していた患者さんたちは一見すれば普通の人たちばかりでした。
10代の若い方から年配の方まで、男女様々な年代の方がいました。

一日中ベッドから出てこない人もいれば、ロビーでずっとお喋りを楽しんでいる人もいました。
穏やかで優しい人が多かったなと思います。

たまにちょっと言動が危ない患者さんもいましたし、患者さん同士のトラブルもありました。
でもナースステーションがすぐ近くにあるので何かあれば看護師さんがすぐ来てくれました。
そのため、想像していたものよりもずっと安全で、安心して過ごせる入院生活でした。



閉鎖病棟の一日

一日の流れは普通の入院生活とほとんど変わりはないと思います。
起床して、朝食を食べ、検温があり、昼食、入浴、夕食、消灯…といった感じです。
怪我や臓器等の病気であれば、入院中は検査やリハビリなどが行われると思います。
精神科では、何日かに一度主治医が状態を聞き取りに来ることがあるのと、平日の午前と午後に作業療法の時間が設けられていました。

作業療法の種類は色々

作業療法は自由参加で、別室で行うこともあれば、ロビーを使うこともありました。
内容は色々なものがありました。

一人でこつこつ系

  • 習字
  • 塗り絵
  • パズル
  • 革工芸
  • 編み物
  • 生け花


音楽系

音楽療法は、療法士さんが来て、貰った楽譜を見ながらみんなで色んな曲を歌いました。
カラオケは活動室に機械を持ち込んで順番に歌っていく感じでした。
私は人前で一人で歌うのが恥ずかしかったので音楽療法に参加していましたが、みんなで歌うのは気分がすっきりして楽しかったです。


スポーツ系

  • ラジオ体操
  • ウォーキング
  • 卓球

身体を動かすプログラムは男女問わず人気がありました。
ラジオ体操は、午後のプログラムの初めに毎日行われていました。
他のプログラムにはあまり参加しないけれど、ラジオ体操だけは毎日参加しているという人も結構いたと思います。
ラジオ体操は誰でもできますし、なかなかいい運動になりますからね。
卓球も参加する人が多くいました。
病棟内で卓球大会が行われたこともあり、その時はとても盛り上がりました。

『退屈しのぎ』も治療の一環

携帯電話もなく、売店に出かけることもない閉鎖病棟では、作業療法の時間は貴重な退屈しのぎの時間だったと思います。
幸い私は若い患者さんたちの仲間に入れてもらっていつも一緒にいたので、入院中ひどく退屈していたわけではなかったのですが、それでも作業療法には毎日参加していました。
自分にできること、楽しめることを見つけて取り組んでいたことは、今振り返ると病気の治療にしっかり役立っていたんだなと思います。


閉鎖病棟は、日常のストレスから離れて心穏やかに過ごせる環境でした

私は、人間関係や毎日の暮らしに疲れた時、「誰もいない遠いところへ行ってしまいたい」と思うことがあります。
本当に誰もいない環境というわけにはいきませんが、入院している間はその願いに近い環境にいることができたような気がします。

仕事や家事、友人や家族のことを全て忘れ、日常生活から起こるストレスが取り払われた状態でのんびり過ごせるのはとても楽でした。
あまりにも居心地がいいので、退院なんてしたくないなと思っていたほどです。

いつまでも病院の中で過ごしたい…
そんな気持ちが「退院しよう!」という前向きになれた時の話は、また次回、開放病棟体験記の中でしようと思います。
(1/2 開放病棟についての記事を公開しました。)
sumizumisumiko.hatenablog.com
(2019/2/8 加筆・修正)